コメント歓迎。腐女子話注意。擬人化苦手な人も注意。
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カラクサタウンのポケモンセンターに行くと博士が施設についていろいろと説明してくれた。以前、旅をしていたとはいえイッシュ地方はあっちと作りが違う。本当に何から何までお世話になりっぱなしだ。
「さてとッ!これできみたちにトレーナーの基礎の基礎は教えたわね!
それではわたしはカノコタウンに戻ります。最後にひとつ!サンヨウシティに行ったなら発明家のマコモに会いなさい。わたしの古くからの友達で冒険を手助けしてくれるわ。それでは頑張って!きみたちの旅が実り多いものでありますように!」
そういって博士はカノコタウンに戻っていった。
しばらくショップを覗いたあと、ポケモンセンターを出る。なんだか広場のほうがざわついているようだ。人だかりができている。その中にいたチェレンが手招きしてくれた。
そばにいくと壇上に立った男の人が集まった人達に聞こえるように大きな声で喋り始めた。
「ワタクシの名前はゲーチス。プラズマ団のゲーチスです今日みなさんにお話しするのはポケモン解放についてです」
解放という言葉に周囲はざわめき始める。しかし、ゲーチスという男の人は気にせず話を進めた。
「われわれ人間はポケモンとともに暮らしてきました。お互いを求め合い必要としあうパートナー、そう思っておられる方が多いでしょう。ですが本当にそうなのでしょうか? われわれ人間がそう思い込んでいるだけ・・・・・そんなふうに考えたことはありませんか? トレーナーはポケモンに好き勝手命令している・・・・・仕事のパートナーとしてもこきつかっている・・・・・そんなことはないとだれがはっきりと言い切れるのでしょうか。 ポケモンは人間とは異なり未知の可能性を秘めた生き物なので。われわれが学ぶべきところを数多く持つ存在なのです。そんなポケモンたちに対しワタクシたち人間がすべきことはなんでしょうか。
そうです!ポケモンを解放することです!!そうしてこそ人間とポケモンははじめて対等になれるのです。みなさんポケモンと正しく付き合うためにどうすべきかよく考えてください。というところでワタクシ、ゲーチスの話を終わらせていただきます。ご清聴感謝いたします」
そういってゲーチスは部下だろうか?沢山の人を連れて去っていった。
話を聞いていた人たちは今の話にずいぶん戸惑っているようだ。口々に「どうすればいいんだ」「解放なんてありえないでしょ」と話しながら散らばっていく。
その中から一人の男の子がこちらに向かって歩いてきた。私より少し年上だろうか。緑色の髪に黒いキャップを被って、不適な笑みを浮かべながらこちらを見ている。イヴははっとすると私の後ろに回った。私を影に男の子の様子を伺うように見ている。
「キミのポケモン 今話していたよね・・・・・」
「話しただって?おかしなことをいうね」
イヴもチェレンの持ってる子達も一言も声を発していない。何か静かだ。なのに彼は話してると言ってきた。チェレンは訝しげに彼をみる。
「ああ、話しているよ。そうか、キミたちにも聞こえないのか・・・・・可哀想に。ボクの名前はN」
「・・・・・僕はチェレン。こちらはシャルル。 頼まれてポケモン図鑑を完成させるための旅にでたところもっともぼくの最終目標はチャンピオンだけど」
「ポケモン図鑑ね・・・・・そのために幾多のポケモンをモンスターボールに閉じ込めるんだ。ボクもトレーナーだがいつも疑問でしかたない。ポケモンはそれでシアワセなのか、って」
そういってくるりとこちらを向く。
「そうだね。シャルルだったか。キミのポケモンの声をもっと聴かせてもらおう!」
そういってこちらにポケモンを放ち攻撃を仕掛けてきた。
私は咄嗟にイヴを前に出す。イヴの様子がおかしいことに気づいていたがこのままではまともに攻撃を食らってしまう。イヴは一瞬戸惑いながらも、それでも的確に命令を聞いてくれた。その頑張りでなんとか勝負には勝った。
しかし、Nは負けたことよりも他のことに驚いているようだ。
「そんなことをいうポケモンがいるのか・・・・・!?」
ぶつぶつと「ありえない」「そんなわけがない」とつぶやいている。
「モンスターボールに閉じ込められているかぎり・・・・・ポケモンは完全な存在にはなれない。ボクはポケモンというトモダチのため世界を変えねばならない」
そういって、Nは私を睨むと去っていった。
緊迫した空気にほっと息をつく。チェレンはNが去っていったほうを睨むとふんと鼻を鳴らした。
「・・・・・おかしなヤツ だけど気にしないでいいよ。トレーナーとポケモンはお互い助け合っている!じゃあぼくは先に行く。次の街・・・・・サンヨウシティのジムリーダーと早く戦いたいんだ。きみもジムリーダーとどんどん戦いなよ。トレーナーが強くなるには各地にいるジムリーダーと勝負するのが一番だからね」
じゃあ、次の町でね!と肩をぽんと叩かれチェレンも次の町へ歩いていった。
私はしばらく広場でぼーっとする。ゲーチスという男の人が言っていたこと。Nという少年が言っていたこと。私には少し分かる気がした。私がずっと以前から考えていたことだからだ。
ジョウト地方で一緒に旅してきた仲間達。皆、強くて優しくてとても頼りがいのある仲間だった。それに比べ、私はポケモンを目にすると嬉しくて思わず駆け出して静止も聞かず止まらなくなるくせに、バトルになると何度やってもなれず固まり慌て碌な指示も出せず呆れ怒られるばかりだった。皆本当に強いのに全然生かしきれてなかった。何度も何度もあの子達といることが不安になった。このまま私のモンスターボールに閉じ込めていいのか。もっと彼らが生きれる場所があるんじゃないか。本当は解放(逃がす)べきなんじゃないだろうか。ただその優しさに甘えて傍にいてもらうのではなくて。
そう考えても結局私が離れられなくて、こちらに・・イッシュ地方に引っ越すまで手放せなかったわけだけど。
イヴのほうを見ると私の横に大人しく控えている。目が合うとふんわりと微笑まれた。この子もきっと強くなる。今はこんなに小さいけれどどんどん成長していくのだろう。私はそれの妨げになるんじゃないだろうか。でも疑わずイヴは私についてきてくれる。まだ会ったばかりだというのにこんなにも力になってくれる。
それでも私はその力に答えられる気がしない。
「(次の町でこの子を引き取ってくれる人を探そう・・)」
もう本当に誰も仲間にする気はないんだ。本当にいらないんだ。縛り付けたくない。それになにより・・。
2番道路に出るとライブキャスターがなった。後ろを振り返るとそこにはママの姿があった。
「シャルル!やっと追いついた・・・『おそらく今ごろはサンヨウシティにむかってます』ってアララギ博士に聞いてね」
わざわざランニングシューズを渡しに追ってきてくれたらしい。笑顔だが息が切れている。感謝の気持ちが溢れるが同時に申し訳なくなる。こんなの次の町でイヴの引き取り手が見つかったらカノコタウンに戻るつもりなのに。
「シャルル」
ママが私の心を呼んだかのように真剣な表情で見つめる。
「あなたは一人じゃないの わかっているでしょ? いつもポケモンと一緒だし友達もいる。それにママだっていつもあなたのことを想っているから」
それじゃあ旅を楽しんでね!じゃあね!とまたにっこりと笑ってママは帰っていく。
背中が見えなくなるまで見送りながら、ぎゅっと胸の中のシューズを複雑な気持ちで抱きしめた。
カラクサタウンのポケモンセンターに行くと博士が施設についていろいろと説明してくれた。以前、旅をしていたとはいえイッシュ地方はあっちと作りが違う。本当に何から何までお世話になりっぱなしだ。
「さてとッ!これできみたちにトレーナーの基礎の基礎は教えたわね!
それではわたしはカノコタウンに戻ります。最後にひとつ!サンヨウシティに行ったなら発明家のマコモに会いなさい。わたしの古くからの友達で冒険を手助けしてくれるわ。それでは頑張って!きみたちの旅が実り多いものでありますように!」
そういって博士はカノコタウンに戻っていった。
しばらくショップを覗いたあと、ポケモンセンターを出る。なんだか広場のほうがざわついているようだ。人だかりができている。その中にいたチェレンが手招きしてくれた。
そばにいくと壇上に立った男の人が集まった人達に聞こえるように大きな声で喋り始めた。
「ワタクシの名前はゲーチス。プラズマ団のゲーチスです今日みなさんにお話しするのはポケモン解放についてです」
解放という言葉に周囲はざわめき始める。しかし、ゲーチスという男の人は気にせず話を進めた。
「われわれ人間はポケモンとともに暮らしてきました。お互いを求め合い必要としあうパートナー、そう思っておられる方が多いでしょう。ですが本当にそうなのでしょうか? われわれ人間がそう思い込んでいるだけ・・・・・そんなふうに考えたことはありませんか? トレーナーはポケモンに好き勝手命令している・・・・・仕事のパートナーとしてもこきつかっている・・・・・そんなことはないとだれがはっきりと言い切れるのでしょうか。 ポケモンは人間とは異なり未知の可能性を秘めた生き物なので。われわれが学ぶべきところを数多く持つ存在なのです。そんなポケモンたちに対しワタクシたち人間がすべきことはなんでしょうか。
そうです!ポケモンを解放することです!!そうしてこそ人間とポケモンははじめて対等になれるのです。みなさんポケモンと正しく付き合うためにどうすべきかよく考えてください。というところでワタクシ、ゲーチスの話を終わらせていただきます。ご清聴感謝いたします」
そういってゲーチスは部下だろうか?沢山の人を連れて去っていった。
話を聞いていた人たちは今の話にずいぶん戸惑っているようだ。口々に「どうすればいいんだ」「解放なんてありえないでしょ」と話しながら散らばっていく。
その中から一人の男の子がこちらに向かって歩いてきた。私より少し年上だろうか。緑色の髪に黒いキャップを被って、不適な笑みを浮かべながらこちらを見ている。イヴははっとすると私の後ろに回った。私を影に男の子の様子を伺うように見ている。
「キミのポケモン 今話していたよね・・・・・」
「話しただって?おかしなことをいうね」
イヴもチェレンの持ってる子達も一言も声を発していない。何か静かだ。なのに彼は話してると言ってきた。チェレンは訝しげに彼をみる。
「ああ、話しているよ。そうか、キミたちにも聞こえないのか・・・・・可哀想に。ボクの名前はN」
「・・・・・僕はチェレン。こちらはシャルル。 頼まれてポケモン図鑑を完成させるための旅にでたところもっともぼくの最終目標はチャンピオンだけど」
「ポケモン図鑑ね・・・・・そのために幾多のポケモンをモンスターボールに閉じ込めるんだ。ボクもトレーナーだがいつも疑問でしかたない。ポケモンはそれでシアワセなのか、って」
そういってくるりとこちらを向く。
「そうだね。シャルルだったか。キミのポケモンの声をもっと聴かせてもらおう!」
そういってこちらにポケモンを放ち攻撃を仕掛けてきた。
私は咄嗟にイヴを前に出す。イヴの様子がおかしいことに気づいていたがこのままではまともに攻撃を食らってしまう。イヴは一瞬戸惑いながらも、それでも的確に命令を聞いてくれた。その頑張りでなんとか勝負には勝った。
しかし、Nは負けたことよりも他のことに驚いているようだ。
「そんなことをいうポケモンがいるのか・・・・・!?」
ぶつぶつと「ありえない」「そんなわけがない」とつぶやいている。
「モンスターボールに閉じ込められているかぎり・・・・・ポケモンは完全な存在にはなれない。ボクはポケモンというトモダチのため世界を変えねばならない」
そういって、Nは私を睨むと去っていった。
緊迫した空気にほっと息をつく。チェレンはNが去っていったほうを睨むとふんと鼻を鳴らした。
「・・・・・おかしなヤツ だけど気にしないでいいよ。トレーナーとポケモンはお互い助け合っている!じゃあぼくは先に行く。次の街・・・・・サンヨウシティのジムリーダーと早く戦いたいんだ。きみもジムリーダーとどんどん戦いなよ。トレーナーが強くなるには各地にいるジムリーダーと勝負するのが一番だからね」
じゃあ、次の町でね!と肩をぽんと叩かれチェレンも次の町へ歩いていった。
私はしばらく広場でぼーっとする。ゲーチスという男の人が言っていたこと。Nという少年が言っていたこと。私には少し分かる気がした。私がずっと以前から考えていたことだからだ。
ジョウト地方で一緒に旅してきた仲間達。皆、強くて優しくてとても頼りがいのある仲間だった。それに比べ、私はポケモンを目にすると嬉しくて思わず駆け出して静止も聞かず止まらなくなるくせに、バトルになると何度やってもなれず固まり慌て碌な指示も出せず呆れ怒られるばかりだった。皆本当に強いのに全然生かしきれてなかった。何度も何度もあの子達といることが不安になった。このまま私のモンスターボールに閉じ込めていいのか。もっと彼らが生きれる場所があるんじゃないか。本当は解放(逃がす)べきなんじゃないだろうか。ただその優しさに甘えて傍にいてもらうのではなくて。
そう考えても結局私が離れられなくて、こちらに・・イッシュ地方に引っ越すまで手放せなかったわけだけど。
イヴのほうを見ると私の横に大人しく控えている。目が合うとふんわりと微笑まれた。この子もきっと強くなる。今はこんなに小さいけれどどんどん成長していくのだろう。私はそれの妨げになるんじゃないだろうか。でも疑わずイヴは私についてきてくれる。まだ会ったばかりだというのにこんなにも力になってくれる。
それでも私はその力に答えられる気がしない。
「(次の町でこの子を引き取ってくれる人を探そう・・)」
もう本当に誰も仲間にする気はないんだ。本当にいらないんだ。縛り付けたくない。それになにより・・。
2番道路に出るとライブキャスターがなった。後ろを振り返るとそこにはママの姿があった。
「シャルル!やっと追いついた・・・『おそらく今ごろはサンヨウシティにむかってます』ってアララギ博士に聞いてね」
わざわざランニングシューズを渡しに追ってきてくれたらしい。笑顔だが息が切れている。感謝の気持ちが溢れるが同時に申し訳なくなる。こんなの次の町でイヴの引き取り手が見つかったらカノコタウンに戻るつもりなのに。
「シャルル」
ママが私の心を呼んだかのように真剣な表情で見つめる。
「あなたは一人じゃないの わかっているでしょ? いつもポケモンと一緒だし友達もいる。それにママだっていつもあなたのことを想っているから」
それじゃあ旅を楽しんでね!じゃあね!とまたにっこりと笑ってママは帰っていく。
背中が見えなくなるまで見送りながら、ぎゅっと胸の中のシューズを複雑な気持ちで抱きしめた。
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